城下やえがき整形外科

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城下やえがき整形外科

2017年11月26日 見逃される腰痛治療

腰痛といっても、治療の急を要する腰痛から慢性腰痛様々です。

必要時はレントゲン、MRI、採血などにて炎症や脊椎関節炎などの診断をしていきます。

また、治療も併用しており、仙腸関節や上殿皮神経、筋膜性疼痛症候群MPSのエコーガイド下のhydro-release、各種神経ブロックなどによる疼痛緩和・ADLの改善を図ります。

 

1)hydro-relase、急性期腰痛

非特異的腰殿部痛において、hydro-relaseによる診断的治療をしてます。

注射で改善しない症状は、当院でも時々、脊椎腫瘍などもあるので、MRI検査をおすすめしています。

 

2)慢性腰痛

仙腸関節障害、上殿皮神経障害、筋膜性疼痛症候群などがあり、治療も平行して説明・施行してます。

筋膜性疼痛症候群MPS

仙腸関節・梨状筋症候群

上殿皮神経

椎間関節障害

腸脛靱帯障害

などレントゲンやMRI、エコー、理学療法評価などにて対応してます。

ただ、クリアーに分類されずに、混合性の症状や様々な全身問題が絡むことがあり、じっくり焦らずに痛みに向き合います。

痛み→悪玉説に御用心。糖尿患者のように、痛みを感じなければ、気づかぬうちに病状は悪化。痛みは病気のセンサーですので、一緒に取り組みましょう

 

3)講演会

最近、講演会があり、村上先生とお話しました。以下は、その際の要約です。

 

見逃される「仙腸関節の痛み」

JOHO仙台病院 腰痛・仙腸関節センター

村上 栄一 先生

2017.11.17

 

欧米で仙腸関節固定術の手術が増加。しかし、実際の適応は1%にも満たず、保存療法を続ける症例が多数。

 

4)痛み→悪玉説に御用心。

先ほども述べましたが、

痛み→悪玉説に御用心。糖尿患者のように、痛みを感じなければ、気づかぬうちに病状は悪化。痛みは病気のセンサーです。

動物は生き残るために様々な発達をしている。カモノハシの電流センサーや馬などの草食動物(毒草に近づくと顎の力が脱力するので、それを避けている)との話がありました。

人間は母指と人差し指のO-リングが唯一残った動物の本能とのはなしもあります。

生きる限りは様々な悩みがあり、世の安寧を祈り、藤原道長などが京都の宇治に平等院鳳凰堂を建立したのは平安時代。夜間特別公開が今年から始まり、ブログのタイトル画像とさせていただきました。いつの世も心の安定は大事な要素です。

 

 

5)仙腸関節診断

One finger test:示指だと正確に疼痛部委を指すことが多い

ブロック注射:仙骨と腸骨の間の緊張をほぐすことにより、動きを促す

腰痛の1割以上で発生。最年少で9歳の子供でも発生しうる。年齢や男女に差はない。

大腿外側部痛:大転子から膝外側痛:仙腸関節障害由来が多い

靱帯は重要な神経や血管を守っており、筋膜や靭帯の痛みが重要なサインとしてとらえうる。

 

 

痛みの出る動作:座位が辛い、正座は楽。寝返り、立ち上がり、朝方が辛い

SIJ疼痛誘発部位;鼡径部痛(55%)、殿部痛、坐骨結節部痛

疼痛誘発テスト:Newtonテスト、パトリックテスト

整形内科テキスト、MPS研究会:エコーにて仙腸関節領域の異常信号などがあることもあり、解明がすすんでいる。

治療:身体表現性障害と診断されることもあるが、鑑別は容易ではない。

腰部~仙骨部のブロック、投薬、リハビリ、装具、運動、仙腸関節の固定がある。

手術は股関節の可動域が10-20度制限されるため、総合的に判断して考える腰椎固定術の後も仙腸関節痛などに障害を来すこともあり、抜釘することがある。