2025年03月24日 人間と動物の違い(その2)
前回のコラムでは、主に人間の直立二足歩行のメリットについてお話しました。
今回は、直立二足歩行のデメリットを整形外科的な観点からお話します。
1.腰痛(症状)
背骨のS字カーブは、直立二足歩行による垂直方向にかかる負担を軽減します。しかしながら、背骨のS字カーブが崩れると、腰椎や椎間板など、腰椎周辺の組織に負担がかかり、これが腰痛の原因となります。
2.椎間板ヘルニア
二足歩行により、人間の椎間板には大きな負荷がかかるため、椎間板ヘルニアが起こりやすいと言われています。椎体の間のクッションの役割を担う椎間板は、上下方向への衝撃には強いですが、横方向やねじれる方向へのストレスには弱いです。特に日常生活の中では、腰をねじるようなストレスがかかりやすいので、それで腰痛を引き起こすことも多くなっています。ゴルフや野球などのスポーツは、スイングの際に腰を大きくひねるため注意が必要です。
3・変形性膝関節症
膝は大腿骨と脛骨をつなぐ関節であり、長年にわたって重い体重を支えながら曲げ伸ばしを繰り返すことで、大きな負荷がかかります。
特に二足歩行である人間は、立っているだけでも身体を安定させるために膝に大きな負荷がかかります。
さらに、歩いている時は体重の2〜4倍、階段の上り下りでは体重の6〜7倍の負荷がかかるといわれています。膝関節表面の軟骨が少しずつすり減ることで、関節の変形や症状が徐々に現れます。
ちなみに、犬は人間よりも俊敏で運動能力に優れた四足歩行動物ですが、実は足腰はあまり強くありません。
四足歩行のほうが4つの足に体重が分散されて足への負担が少ないように見えますが、 人間よりも圧力を受ける面が広く、それゆえ足腰に負担がかかりやすいそうです。軟骨異栄養という体質をもつ犬種(ダックスフント、ビーグル、ウェルシュ・コーギーなど)では、椎間板ヘルニアが好発します。
とくに、ダックスフントは、その長い胴体と短い足が原因で椎間板ヘルニアを発症しやすく、生涯有病率は20〜62%にまで達すると報告されているそうです。
獣医さんに聞く!犬の椎間板ヘルニア 原因・予防法・治療法(アクサダイレクト)
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