2017年10月15日 肋骨部の外傷、骨折、医療の不確実性
受診時の肋骨部X線では骨折が認められなかった胸部打撲例。患者は初診担当医から「X線で発見できない程度の亀裂骨折があり得る」と説明を受け帰宅した。2週間後その患者から「他院で肋骨骨折が見付かった。なぜ最初に診断できなかったのか」と初回に受診した病院に問い合わせが入ることがあります。
2)骨折診断の不確実性
「胸をぶつけられた方へ」にたいして、現時点で考えられる診断名として
(1)肋骨骨折、
(2)肋骨の明らかな骨折はない、
(3)肋骨の骨折ははっきりしない、の3点を提示。
他の骨とは異なり、肋骨骨折の診断が難しいです。
3)
「今後生じ得ること」として
「今後骨折がずれて痛みが悪化し、再度のX線撮影で診断が付くことがよくあること」
「気胸や血胸を疑わせる症状と、こうした症状がある場合にはすぐに受診すること」
さらに3-4日経っても痛みが改善しない、不安などがあれば早めに自・他施設を問わず、外来受診を勧めています
4)医療の不確実性
医療は不確実性の連続であり、すべてにフルスペックの検査は保険だけでは難しいのが実情です。現在の保険制度は世界に誇る制度であり、必要最低限の検査に絞っていく必要があります。アメリカの医療の様に、民間保険に入らないと治療できないとか、救急車も1回10万円実費負担などになってきます。
日本の医療制度が継続可能となるためにも、保険を使う際は留意が必要です。
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