リウマチ性疾患の妊娠を考える

上記演題で講演会・座談会の機会があり、情報についてお届けさせていただきます。

 

国立成育医療研究センター

周産期・母性診療センター 

妊娠と薬情報センター

村島 温子 先生

 

妊婦

 

1)催奇形性と流産

小児リウマチの変形が強い患者でも三人生んでいる症例を紹介してました。

この患者さんは25歳から生み始めたようです。

一般的に35歳を過ぎると妊娠率はどんどん低くなります。

流産は一〇〇人に一五人流産します(15%)。40歳を過ぎると確率が、高くなります。遺伝子異常が高くなるためです。

 

リウマチの女性が妊娠を考える際の疑問として、

妊娠とリウマチの予後

妊娠しやすさ

催奇形性、胎児毒性

育児、母乳

妊娠成功率

 

RA寛解状態でないと妊娠継続が困難な状態になります。

妊娠にトライして平均6ヶ月かかります。。妊娠は10ヶ月、授乳すると2年は休薬が必要です。

生物製剤は比較的有効性と胎盤移行性の非劣性(つまり、問題が少ない)が報告されています。エンブレル・シムジアが有名ですが、オレンシアもおそらく影響は少ないと考えられています

 

2)大いなる誤解

サリドマイド、(イソミン、睡眠剤)による催奇形性事件、アザラシ症

リスク評価と臨床判断の方法

誤り)妊娠初期に薬や放射線に被曝されなければ奇形児は生まれない

→正)流産は15%、奇形の自然発生率は3%

誤り)奇形の原因の多くは薬や放射線である

→正)薬が原因と考えられる奇形は1%

誤り)リスクのある薬剤では高い確率で先天異常となる。MTX(リウマトレックス),サリドマイドなど

→正)34歳、女性、東京RA専門クリニック。妊娠予定ないといっていたが、MTXを内服していました。中絶について論文で是非が言われていますが、論文ではわざわざ中絶は必要ないとの報告もあります。MTXのんでも催奇形性は6%-10%、むしろ流産率が高いので、妊娠継続している場合は、必ずしもすぐに中絶せず、冷静になって対応してください。

受精後2週間:胚が催奇形性物質による影響を受けた場合、影響が少ないなら自然修復して妊娠継続している。影響が少ない場合、自然壊死して流産します。つまり危険日を過ぎて、生理が来ない場合、妊娠検査薬をチェックして、妊娠がわかって初めて、薬の内服を中止すればいい。

 

海外では流産目的にMTXの点滴をしているとの報告もあり、実際に催奇形性は高くならないようです。

 

3)人生はリスクの連続。絶対の安全はあり得ません。

出産・育児事態がリスク、人生はリスクの連続。絶対の安全はあり得ません。

 

薬の話で、動物実験のレベルで催奇形性が報告されているものもありますが、人体では不明です。

 

MTX,D-ペニシラミンは絶対にやめます。

MTXは胎盤の絨毛の細胞を破壊するので、胎児に栄養供給が阻害され、流産するというメカニズムの様です。

妊娠のタイミングとして、一度MTXを休止して、一度生理を見届けてから妊娠を促すと安全です。

 

アザルフィジンでは十分な疫学研究があってリスクが示されていない。

タクロリムス、プログラフ、リマチルは添付文書では禁忌ですが、リスクについてICインフォームドコンセントしていれば使用しても実際には影響は少ない。

生物製剤も同様で、妊娠が発覚してから中止すればいいと考えます。

 

湿布のなかでもケトプロフェン(モーラス)は経皮的に吸収がされるため、内服と同じ効果があります。ケトプロフェンは外用剤でも妊娠後期は禁忌(動脈管の早期閉鎖のリスク)

→アセトアミノフェンやセルタッチパップを用いる方が無難です。

 

4)母乳の心配はほぼ不要

母乳:こうぶんしは胃で消化されるので、注射薬の場合、母乳からでて乳児が消化するまでになくなるので、レミケード、エンブレル、ヒュミラ、シムジア、アクテムラは安全と考えられている。実際に村島先生の研究ではロキソニンを飲ませてもおっぱいには移行しないとの研究データがあります。

 

5)まとめ、RAのコントロールをしてからの妊娠がベスト

すぐに妊娠するとは思わないこと

痛み止めは妊娠中はNSAIDは控える。アセトアミノフェンは少ない。

関節リウマチを公表している芸能人もいて、みなさん、様々な治療をしているようです。

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6)歯の治療と関節リウマチ

関節リウマチや骨粗鬆症の治療を続けながら、歯医者での4-6ヶ月に一回の定期チェックを勧めてます。内服続けても影響は少ないとの論文や、治療をやめると逆に骨折のリスクが高まるとの報告もあります。

基本的に歯周病などの治療を平行しましょうと説明してます。

人生リスクはつきものです。

交通事故が怖いから外出しないということはないでしょうし、

外国産の食事が危ないとか、国産でもたまに賞味期限や消費期限の問題があるから食事は自分で生産したものしか食べないということはないと思います。

 

7)妊娠中の薬使用

2/3が妊娠中に症状が改善する。理由は不明だが、半分は他人の遺伝子を体内に許容するので、自己免疫が寛容になるとの説や、胎盤からステロイドが産生するとの話もあります。何度も言いますが、原因は不明です。

なので、妊娠中の薬としては、基本はステロイドの内服を基本として、関節痛があれば、局所のステロイド注射などで症状をおちつかせるといいと思います。症状によりますが、関節注射は何ヶ月も効果が持続することも多く、一瞬、えっ!!と思うかもしれませんが、案外いいです。

 

8)抗がん剤

抗がん剤は免疫を抑えるので、ガンの治療を続けてもいいし、addonしてもいいでしょう。特に悪くする薬剤の報告はないとのことです。

 

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